漆アクセサリーができるまで

漆塗りアクセサリーの作り方は、作家さんによってもいろいろあると思いますが、
漆アクセサリー紅里工房(akarikoubou)の制作工程を書いてみたいと思います。

使用する木材は、ひのき・朴の木・銀杏・黒檀・ブナ・アガチス(南洋ひのき)などいろいろ。作るものによって変えます。
かんざしやイヤリング・ペンダントはひのき
ブローチ・帯留めなど掘る部分が多いものは朴の木やアガチス
指輪は強度が必要なので黒檀・・・など

板材に下絵を書き込んだら電動糸鋸で切り抜きます。

漆アクセサリー製作用電動糸鋸の画像

この糸鋸は独立して一番最初に購入したマキタの糸のこ盤
古いけどよく働いてくれてます。

漆アクセサリー用木地制作過程 切り出し

透かし部分なども糸鋸で切り抜きます。上の画像はかんざしの木地。
切り抜きが終わったら彫刻

漆アクセサリー用木地制作過程 彫刻の画像

小刀や彫刻刀も使いますが、最近よく使うのが『超音波カッター』とアートナイフ
細かくて立体的な彫刻にとても便利
写真は、帯留めとブローチを粗彫りしたところ
この後形をととのえてヤスリがけします。
木地の完成

ここから漆の塗り重ねです。

漆アクセサリー制作過程下塗りの画像

生漆に弁柄を練りこんだ漆で木地を固めたところ
漆の仕事は塗っては砥ぎ、また塗っては砥ぎの繰り返し・・・
漆は乾燥(硬化)にとても時間がかかり、一度塗ってから2~3日経たないと次の作業ができません。
また、一度に厚塗りすることもできないのが難点
無理に厚塗りすると塗面が縮んで大変なことになります。
薄く何度も塗り重ねて塗面を滑らかにします。

ものにもよりますがだいたい10回ほど塗り重ねて調節すると
ようやく柄付けができる状態になります。

この段階で最初にするのは、螺鈿。

漆アクセサリー加飾工程 螺鈿の画像

漆ブローチにあわび貝で螺鈿をしている工程の画像

螺鈿に使用する貝は夜光貝・白蝶貝・黒蝶貝などこちらもいろいろありますが
紅里工房(あかりこうぼう)の漆アクセサリー・漆ジュエリーにはおもに鮑貝を使用しています。

漆材料の貝は薄い板状のものを使用。紅里工房の漆アクセサリーは曲面がほとんどなので、まずは細かく砕くことから。。。
貼るものの曲面によって大きさを整えて、次は色分け。
一枚の板貝にはいろんな色が含まれているのでそれを分けます。
ジグソーパズルだと組む前に必ず色分けしますよね あれと同じ。
で、漆を塗った上に一つずつ置いていくわけですが、これもジグソーパズルみたいな感じです(一つのピースは2mmから4mmぐらいですが・・・)

あわびは黒い漆で貼ると青色が強く出てとっても綺麗(写真上)
朱漆で貼るとほんのりピンク色になります(写真下)
もちろん黒漆なら青、赤漆ならピンク色に色分けしたあわび貝を使います。

貝を貼るために塗った漆はとても乾燥(硬化)が遅いので、一週間ぐらいは触れません。
貼り漆が乾いたら、塗り面と螺鈿の段差がなくなるまで漆を塗り重ね
螺鈿の隙間に銀粉を蒔き詰めて仕上げます。

漆アクセサリー制作過程 螺鈿仕上がり画像

上塗りの色を決めます。

黒漆にくらべて朱漆は綺麗な色を出すのが難しい・・・色の幅も多いです。
紅里工房(あかりこうぼう)漆アクセサリーはパワーをもらえるような力強く美しい朱赤の色が特徴。色漆は自分で練って作るので作り手によって色が違います。
最近は趣味で始める方のために新漆とゆうくくりでカシュ-ベースの塗料が出ていますが、あれだと漆らしい重みのある赤にはなりませんし、そもそも漆ではありません。

今回は蒔きぼかしと蒔絵にするので、まず上塗り塗面に金梨地粉の蒔きぼかし。
金粉・銀粉はは貴金属の専門店でないと購入できない上に価格も金相場によって変動。買いに行くときはドキドキします。
紅里工房では金銀ともに平目粉を多用。ひと粒が大きいのでちょっと高くつきます。(金銀粉は重さで買います。単位は匁。1匁=3.75g)

漆アクセサリー上塗り工程の画像

上塗り塗面が乾いたら、2号の平目粉を使って花びらの縁を蒔絵していきます。
金粉を蒔くために使う粉筒は葦の軸に金粉の粗さに応じて紗を貼ったもの。
たいていみなさん自作してると思います。(私は自作です)

漆アクセサリー蒔絵工程と金粉・粉筒の画像

蒔絵の漆もよく乾かしてから2回粉どめの漆を塗りこみ研ぎ出し
蒔絵部分がきっちり固まったら
摺り漆を数回掛けて磨き上げます。

金具を取り付けて完成

漆アクセサリー帯留め完成画像

漆アクセサリーの制作にはだいたい2~3か月。凝ったものは半年かかります。

あまり多くの商品を作ることができないため、紅里工房では各地の百貨店で開催される「金沢・能登展」や「加賀百万石展」などの催しに赴いての販売形式をとっています。だいたい200点から300点ほどは展示しています。

トップページ・ニュースでもご案内しておりますので、近くの百貨店に出展していましたらぜひ遊びに来てください。作者本人がお待ちしております。

また、数量限定ではありますが、紅里工房ネットショップでの販売もしております。
こちらもご覧いただけると嬉しいです。



漆アクセサリー紅里工房 寺嶋 絵里子